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『手塚治虫 火の鳥から読み解く日本人のいのちのかたち』第5回が実施されました

 6月18日㈰に『手塚治虫 火の鳥から読み解く日本人のいのちのかたち』第5回が実施されました。この会は、手塚治虫の名作『火の鳥』をみんなで読みながら、生と死と愛、その壮大なテーマを深く掘り下げる会です。

 医療職や宗教者を中心に、主婦、手塚ファンや、初めて読む人なども入り混じって、それぞれの立場から自由 に死生観や愛を掘り下げ語り合います。 それに合わせて精神科医であり神主でもある池内龍太郎先生から、日本人の宗教観・死生観についてもわかり やすく解説いただきます。  今回は鳳凰編。飢餓と貧困が蔓延る奈良時代。生まれて間もなく崖から転落したために片目片腕を失った主人公「我王(がおう)」は、殺戮、強奪を繰り返し生きてきました。方や、もう一人の主人公「茜丸(あかねまる)」は都から仏像を拝みにきたという穏やかな仏師ですが、我王によって右手を刺され、職人として致命的な傷を負います。右手が使えないことの他には、性格も生い立ちも全く異なる両者ですが、その会遇を機に様々な人々と巡り合い、何かを手にしては喪失し、最終的には国の政策に関わる一流の仏師となって再会を果たします。

 重要なシーンで度々語られる死生観「輪廻転生」「因果応報」に込められたメッセージ、手塚治虫の分身のようでもある二人の主人公、宗教・芸術を無情に利用しようとする貴族と苦しい生活を送りながらも一心に人生と向き合う人々、そして神がかった手塚の画・コマ割り・構成・・・・語りが尽きない話題ばかりでです!”まだまだ語り足りぬ・・・!!”という感じで「火の鳥」の凄味を新たに噛み締めた回となりました。  次回は7月15(日)、復活編・羽衣編を読み合わせます。楽しみにお待ちしております。

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