【誰そ彼のことばno.6】「『向かうところ敵なし』とは敵を持たないことです」【仏教コラム】
「向かうところ敵なし」とは敵を持たないこと 僧侶・天野こうゆう 「向かうところ敵なし」――。非常に強くて、どんな相手にも負けないことの意味で使われる言葉です。「今のあのチームなら、向かうところ敵なしだね」。こんな感じでしょうか。...
日々の生活の中で出遇う誰かのことばを通し、仏教的な視点を交えつつ深め、味わっていく新コラムコーナーです。
「誰そ彼」には元々「あなたは誰ですか?」という意味があるといいます。また、その言葉が転じて「黄昏(たそがれ)」という言葉になったと言われています。黄昏時は、「この世」と「あの世」が交わる時であるとも言われますが、仏教において「あの世」は「気づきの世界(彼岸)」という意味を持ちます。
彼岸をたずね、此岸(しがん)「自分の世界、生活」の有り様に気付き、試行錯誤しながら歩むことが仏教の実践とも言えます。これから多くの方々との「ことば」と出遇うことを通し、日々の生活の糧としていけるよう、皆さんとご一緒に耳を傾けて参りたいと思います。